定数24巡りサバイバル 合併で44人マンモス議会の印西

定数24巡り サバイバル 合併で44人マンモス議会の印西

統一地方選後半戦の3市長選と16市議選が17日、告示される。このうち印西市議選(定数24)は、2010年3月、印西市に印旛村と本埜村が編入合併して初めて行われ、合併後、44人(欠員2)に膨れあがった市議を大幅に削減する選挙だ。現職30人が生き残りをかけ立候補を予定しており、総勢40人程度の激戦となる。

合併時に3市村の議員らでつくった合併協議会が選択したのは、合併後に定数を一時的に増やして選挙を行う「定数特例」ではなく、旧自治体議員が一定期間、身分を保障される「在任特例」だった。このため、印西市議会は定数24だが、旧印西市議24人、旧印旛村議12人、旧本埜村議8人の計44人が、そのまま残る「マンモス議会」となった。

「覚悟していたが、ついに来たかという思いだ」。合併後、村議から市議に変わったある現職は、市議選を前に心境を語った。1年間、地元を歩く度、「村の代表がいなくなるのでは」と心配する有権者の声を聞き、出馬を決意した。これまでの当選ラインは200票前後だったが、「今回は1000票取らないと危ない」とみる。当選するためには、従来の村内だけでなく、大票田の旧印西市内も回る必要があり、「地元の票固めだけでなく、旧印西市を回る票の掘り起こしも必要だが、二兎(にと)を追っていいのか」と頭を抱える。

こうした激戦から、現職42人中、10人前後は立候補を見送る公算が大。引退を決めた旧村のある現職は「経験したこともない激戦が引退の一因」と認める。出馬する旧村の別の現職も、「村の選挙をやっていた身からすれば、国政選挙に出るようなもの」と例える。

16日現在、印旛、本埜の旧2村の有権者は計約1万7000人で、これまでの当選ラインは印旛村議選が約200票、本埜村議選が100~290票だった。しかし、有権者約5万4000人の旧印西市に編入合併されたことで、「当選ラインは800~1000票程度に跳ね上がる」との見方が候補予定者に広がっている。

多数の立候補が予想されるため、市内173か所の選挙ポスター掲示板は横幅約7メートルの特大サイズで、45人分のポスターを掲示できるという。市選管によると、旧印西市で07年4月に行われた市議選(定数24、28人立候補)は午前0時に開票作業を終えたが、今回は当選者が確定するのは午前0時半頃になりそうだ。

◇在任特例 市町村合併後も旧自治体議員が一定期間、身分を保障される特例措置。合併に対する議会の賛同を得やすくする狙いがあり、合併特例法で定められている。新設合併では最長2年まで、印西市のような編入合併では、編入先の自治体議員の残任期間終了まで。

2011年4月17日 読売新聞)

引用元: 定数24巡り  サバイバル : 千葉 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

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